原島・苗村研公開

電気系三学科の研究室公開日ということで、
インテリジェントモデリングラボラトリーも公開してたので見てきた。
今回公開されていたものは

  • インタラクティブな多人数用方向依存ディスプレイ(ビデオのみ)
  • サーモによる人間判別とリアルタイム画像処理
  • 影を映像メディアにするマルチプロジェクションシステム

の三つ。どれもこうしてタイトルだけ書いてみるとわかりにくい。


まずは多人数用ディスプレイ。
これは4人の人間がテーブルを囲んでテーブル中央の画面を見ると、
ひとつの画面なのにそれぞれ違うものが見えるというシステム。
具体的にはある方向からの光しか通さないパネルに4方向からプロジェクターで画像を送って、
ある方向からしか見えない画像を4つ重ねているだけなんだけど、
これがあれば地図を共有して会議をしたり、
トランプやマージャンをひとつの画面で手の内をばらさずにできたりするという優れもの。


お次は熱処理による画像認識システムなんだけれど、
これは熱を発するものを発しないものを区別することで人間と背景を区別して、
たとえば人間の部分にだけリアルタイム処理でモザイクをかけたり(記者会見なんかで使えそう)、
人間部分の解像度が高いまま背景部分の圧縮度を高くして効果的な画像圧縮ができるから写メールなんかに応用できたり、
なかなか使いどころのありそうなシステム。
実際に自分にリアルタイムでモザイクがかかったり、
熱を通さない透明のパネルを当てたところだけモザイクがとけてみたり、
遊んでる分にもたのしーものだった。


そして影をメディアにするマルチプロジェクションシステム。
これは片方のプロジェクターから普通の画像Aを、
反対側にあるもう片方のプロジェクターからAに重ねると白になる補色の画像A’を投影する。
すると床には白い光が放たれているように見えるのだけれど、
その上にのって影を落とすと、
片方のプロジェクタの光がさえぎられるから影のぶぶんが白ではなく色のついた画像になって見えるというもの。
影のほうにきちんと映像が映るので最初は驚いて動き回ってしまいます。(笑)
メディアアートから出発したものなので、
幾何学的な模様なんかで影を光らせるのは得意なんだけど
細かい写真なんかを投影するのはちょっとだった苦手みたい。
それを今回は改良して、リアルタイムで取り込んだ画像なんかも処理できるようになっててすごかった。


展示の係の院生が話しているのを聞いていたのだけれど、
こういうメディアアートのようなものでどう論文を各課というのはまだはっきりしていないらしい。
だから今は画像の同期とかブレだとか処理方法なんかの技術論文的な内容のものを書いたりもしているそうだけれど、
本当の技術論文ほどしっかりと技術について細かく書く必要もないそうだ。
そのあたりの比率は今年の情報学環のドクターが書く論文の内容次第でどういう方向に転ぶか決まりそうとのこと。
実際に話を聞いて技術的なことがわかって「オーッ」となることもあるけれど、
やっぱり技術的なことだとわからないことも多いので、
もっと楽しくわかる論文がたくさん出てくるとちょっと面白いかも。
しっかし、自分に技術論文なんか書けるのかなあ・・・。