見ることは信じること? 八谷和彦編

今回のシンポジウムは八谷さんのはてなで知ったので、
どの方の話も楽しみだったけれど八谷さんが目当てでした。
結構会場も八谷さんファンがいたようで、
隣に座ってた人は八谷さんの時以外は始終うとうとしてて、
手に握ったアンケート用紙に
「八谷さんのファンです。ほかの方の講演は面白くなかった。時間は守って。」
とズバッと書いていてすこし複雑な気分。
確かに八谷さんが「科学者はアプリケーションが下手」と言っていたように、
技術屋さんや学者さんはプレゼンテーション(発表から世に出すこと全般まで)がうまいとはいえないと思います。
それは自分でプレゼンしてるときにすら思ってしまうことで、
なかなか内容の充実といろいろな人に興味を持って聞いてもらえる、
ということの両立は難しいのです。
それでもそれはちゃんと両立しないといけない。
技術屋は自分たちだけがわかってればいいわけではなく、
ちゃんと様々な頭を持った人が見てもいい形にして見せていかないといけない。
リテラシーが問題とされるのはこれからは科学技術においても当然のことで、
科学者はもっとうまく説明できるようになるか、
科学をわかりやすく説明・表象する「市民科学」という中間分野に任せるかということが必要になるだろう。
前者で実現されるほうが望ましいかなー、と私は思ってますが。


話はそれてしまったけれど、元に戻して八谷さんの講演内容について。
松下のVRシステムをつけて大変なストレスを受け、
重いヘッドマウントディスプレイ(曰く「汗くサイバー」)とディレイに3億もかけてこれか、
と思ったのが自分でHMDをつくったきっかけだとか。
私もおそらくそのVRシステムを体験したことがあって、
(もしかしたら八谷さんと同じものかもしれない)
福岡のソラリアというビルの一回のスペースで体験会をやっていて、
当時いくつだったか、小学生ぐらいの私は、

  • 机やいすなど台所のような部屋がVRで再現されている
  • HMDをつけて蛇口を動かすと水が出て見える

というそのVRシステムを体験してみて、
こんなどうしようもないものが何に使えるんだろう。楽しくない。
と思ったのを覚えている。
小学生がVRを何に使うかがわからないとして、
それを差し引いても当時の荒いCGや大仰なシステムや
ディレイとかの「現実を目指してるっぽいのに現実っぽくなさ」のひどさに興味を持てなかったのだろう。
それを経験した八谷さんが「これは自分がやらないと」と思って自分で作ってしまったところはすごい。(しかも30万くらいで)


イルカとエコーロケーションの話は確かに気になるところだ。
音波が干渉したり打ち消しあったりするはずなのに、ちゃんとイルカにはわかるのだろうか?
八谷さんの「他のイルカの知覚もサブ画面みたいにわかるんじゃないか」という考え方は面白かった。


長くなってきたのでまた。