『愛は盗んでもいいものなんだ。もらえるかどうかわからない時には、ひったくってでも殴り倒してでも奪い取ってもかまわないものなのさ。与えるから、もらえるものでもなく、善良な人々に平等に分配されるものでもなく、相手の弱点につけこんで盗み取ってやろうとする人間にだけ手にできるものだ。行列に並んで待っていても、決して順番は来ない。あわれをさそって恵んでいただこうと思っても、相手はこっちを見てなんかいない。そういうことがわからないと、神さまになってしまうか、死んでしまうしか道がなくなっちまうってわけだ』